脂腺母斑とは?
これを脂腺母斑といいます。
乳幼児期では皮膚表面は正常色調で平らから軽度の凹凸となりますが、脂腺の発達する思春期以降ではしだいに顆粒状に隆起し、色調も加齢により褐色調を帯びてきます。
また頭部に発生すると毛髪を欠くことになります。
自然消退はなく、多くは単発性です。
他の母斑と同様に、体が大きくなるのに比例してこの母斑も大きくなります。
注意することは加齢と共に脂腺母斑から続発性に腫瘤(かたまり状の病変)が発生することです。
その頻度は本母斑の約20%と言われています。
続発性腫瘤には良性腫瘍と悪性腫瘍があり、母斑表面に変化が見られたときには注意が必要です。
続発性腫瘤の発生年齢は平均30~35歳とされますが、まれに10歳以下の例もあります。
したがって、脂腺母斑は禿髪や盛り上がって汚いといった整容面ばかりでなく、皮膚癌などなどになりやすいので比較的低年齢でも治療対象となります。
手術治療は、乳児の体形がしっかり整った2歳以降に、全身麻酔での治療をお勧めしています。
(2024年5月現在)
(全身麻酔での日帰り手術を行っています。)
成人の方は、部分麻酔での手術が可能かどうか判断させていただきます。
また列序性の脂腺母斑に痙攣、精神遅延などの中枢神経障害を合併することがあり脂腺母斑症候群と呼ばれ、眼、口腔内、心血管系、骨などに先天異常を伴うので注意が必要です。
治療法
加齢に伴い続発性腫瘤が発生するため、一般的には積極的に外科的治療が行われます。
母斑切除により生じた皮膚欠損が縫合可能な場合は縫縮しますが、広範囲な場合には何回かに分けて分割切除を行います。
切除術後にはすこしは瘢痕が必ず残るため、顔面や手では術後の瘢痕を考えた切除・縫合方法が必要です。
特に頭部では禿髪の部分を最小限にする手術方法が望ましく、最近ではティッシュー・エキスパンダー(シリコン製バッグによる組織伸展器)を用い母斑周囲の頭皮や皮膚を拡張することで術後の禿髪や瘢痕を最小限にする手術方法も用いられています。
年齢、母斑の大きさ、手術方法によっては全身麻酔が必要となります。
(参照:社団法人日本形成外科学会)
母斑切除により生じた皮膚欠損が縫合可能な場合は縫縮しますが、広範囲な場合には何回かに分けて分割切除を行います。
切除術後にはすこしは瘢痕が必ず残るため、顔面や手では術後の瘢痕を考えた切除・縫合方法が必要です。
特に頭部では禿髪の部分を最小限にする手術方法が望ましく、最近ではティッシュー・エキスパンダー(シリコン製バッグによる組織伸展器)を用い母斑周囲の頭皮や皮膚を拡張することで術後の禿髪や瘢痕を最小限にする手術方法も用いられています。
年齢、母斑の大きさ、手術方法によっては全身麻酔が必要となります。
(参照:社団法人日本形成外科学会)
症例写真
側頭部の脂腺母斑
頭頂部の脂腺母斑
切除手術後
(リスク)
傷あとの直後、赤みが強く徐々にピンク色となり、2~3年かけて最終的に肌色・白色の傷あとになります。
禿(はげ)が残ります。